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2019.6

・薫物作りで配合するショウガ科ウコンはサフランの代替品と論証。

・元々「鬱金香」はサフランを指し、「鬱金」とも略称されていた。

・後から中国に渡来したショウガ科ウコンに「鬱金」と名付けたことから

 サフランと混同され始めました。

・奈良時代にサフランが渡来。記録有り。

・平安時代、サフランが入手できない場合にショウガ科ウコンを代用。

・室町時代には、鬱金はショウガ科ウコンのみを指すようになりました。
 ・李白「客中行」の「蘭陵美酒鬱金香」の鬱金香はサフラン。

・鬱金香をチューリップとしたのはずっと後世のこと。

 

〈最新論文〉

千葉恭子「本来の熟鬱金と鬱金香・鬱金との関係
―サフランと代替品のショウガ科ウコン―」
(『香文化録』第4号、日本香文化学会、2019年)

2019.4  令和の香り

令和の香りは、白梅・フジバカマ及び似た香草・お香(香袋)

詳しくは拙稿で。

古典の蘭に相当する香草

 ―キク科ヒヨドリバナ属フジバカマ等とシソ科シロネ

千葉 恭子(『香文化録』第4号、日本香文化学会、2019年)

 

2019年4月1日 新元号「令和」発表

出典『万葉集』巻五 梅花歌三十二首并序


于時、初春月、氣淑風披鏡前之粉、

薫珮後之


時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ、

梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす 

 

『万葉集』巻五 梅花歌三十二首并序 
【千葉光柏による意訳】  
時は新春の月、空気は澄み風はらいでいる。
は美女が鏡の前で白粉をはたいたように白く咲き誇り、

(フジバカマ類・君子)は身に佩びた香袋から雅な香りを漂わせている。

 

梅=美女

蘭=フジバカマ類(近縁種含む)

  君子を象徴=梅花の宴の招待客

梅と蘭、粉と香は対句  

【千葉光柏による梅花の宴の情景 解説】
時は新春のめでたい月。
空気は澄みきって風は穏やかにそよいでいる。
庭の梅は美女が白粉をはたいたかのように白く咲き誇り、

蘭(フジバカマ類)は香袋から香りを放ち、 宴に招かれた高貴な方々(君子)は身に着けた香袋から雅な香りを漂わせている。